ちょっと話題のCDをご紹介。
『コカ・コーラCMソング集 1962-89』
2005年 Geneon Entertainment
なんとコカ・コーラの歴代CMソングをたんまりと収録したCDが登場! 2枚組、全54曲(+S.E.が2トラックの合計56トラック)というかなりのボリューム。
CMソングをまとめたアルバムというのは今までもいろいろなものが出ていたが、単独商品に関して、これだけの量がまとまったものというのは初めてだろう。
かつては、レナウンのCMソングを集めたものもあったが、あれはCDシングル程度の時間しか収録されていなかったし。また、作曲家単位のものもあったが(大滝詠一や山下達郎など)、今回のものとは性格が違う。
コカ・コーラは、いままでもノベルティなどの非売品としてCMソングをカセットやレコードで配布してきたが(ノーランズやドゥービーブラザーズのシングル盤なんかは中古屋でよく見ますね)、販売用の商品としての発売は初めて。ブックレットにも書いてあったように、権利関係のクリアはホントに大変な作業だったでしょう。残念ながらその関係で収録できなかったものもあるようですが。
コカ・コーラのCM戦略というのは画期的で、その商品の特性上、ターゲットが若年層になるため、常に最新の音楽やアーティストをCMやその音楽に起用するという手法をとってきた。これはアメリカ版の手法をそのまま流用したものといえそうだ。また、CMソングの傾向/流行の変遷をたどる意味でも重要な資料といえそう。
最初のCMは1962年。この頃はCM用のオリジナルソングを作るのが普通だった時代。そこに、その時が旬だった歌手などを登場させ、その人の持ち味でCMソングを作っていく。それが時代と共にアーティストのオリジナルソングを部分的にCM用に作り替えるというように変わって行く。現在ではコーラに限らず、アーティストのオリジナルソングをそのままCMに使う(といってもCM用に編集するが)タイアップが当たり前になった。反面、オリジナルのCMソングに人気が集まり、CD化されるなんていう現象も起こっている。
個人的によく覚えているのはEPOの「太陽にPUMP PUMP」とシング・ライク・トーキングの佐藤竹善のCM用オリジナル曲「I feel Coke '87」だろうか。「太陽にPUMP PUMP」などは、元々CM用に作った曲なのか、自分で発表するために作った曲を改作したのかわからないくらい違和感なくあのお決まりのフレーズがはまっている。永ちゃんなんか曲のタイトルに「Coca Cola」と付けたままシングルリリースしちゃったもんだから、放送局の人はかけたくてもかけられなくて困ったことでしょう(「This Is Song For Coca Cola」)。当時のことはよくわかりませんが。
それにしても、68年の加山雄三とランチャーズのヴァージョンなんて、「コークと呼ぼう」なんつって"コーク"っていう愛称を視聴者に叩き込んでるのがすごい。啓蒙活動だね、こりゃ。
たぶん海外でもこういうアルバムって出てるんじゃないかっていう気はするんだけど、よくわからないので、自分が持ってるのだけご紹介。
『Coca Cola Commercials』
No Label
アメリカで1966年から1969年までの4年間に使われたCMソング集。入手したのはもう10年以上前。"Manufactured In South America"ってあるんだけど、どこの国のプレスなのかよくわかりません。ブートかも。
しかし、内容はスゴイ! 1枚もののCDなのに、全65トラック収録。とにかく参加してるアーティストが超豪華! ちょっと羅列してみます。
1966年
The Seekers(2 Version)
Fontella Bass
Tom Jones(2 Version)
Petula Clark
Jay and The Americans
Wayne Fontana And The Mindbenders
Jan And Deen
Freddie Cannon
Gary Lewis And The Playboys(2 Version)
1967年
The Supremes(2 Version)
The Troggs
Lee Dorsey(2 Version)
Leslie Gore
The Vogues
Roy Orbison
The Drifters
Ray Charles
Nancy Sinatra
Joe Tex
The Moody Blues
The Fortunes
1968年
Lulu(2 Version)
The American Breed(2 Version)
Jay And The Techniques(2 Version)
The Box Tops(2 Version)
The Bee Gees
The Tremeloes
Aretha Franklin(2 Version)
Sandy Posey(3 Version)
Marvin Gaye & Tammi Terrell
Marvin Gaye
1969年
Brooklyn Bridge
B.J. Thomas(2 Version)
Carla Thomas
Jerry Butler
Carla Thomas & Jerry Butler
Vanilla Fudge(2 Version)
The Moody Blues(2 Version)
Ray Charles & Aretha Franklin(2 Version)
Ray Charles
Aretha Franklin
Tommy Boyce & Bobby Hart(2 Version)
The 5th Dimension(2 Version)
Gladys Knight And The Pips(2 Version)
どうですか、すごいでしょ。それなりに音楽に精通してる人だったら、聴いたことはないにせよ名前を知らないというアーティストは一人もいないんじゃないかな、っていうくらい有名な人ばっかり。2 Versionとなっているものも、ほとんどがまったく違う曲を歌っているので、ヴァージョン違いみたいなものではないです。
基本は、当時の自分のヒット曲にあの有名なフレーズ"things go better with coca cola"というのを、うまく織り込むか、"things go better with coca cola"のメロディを自分のヒット曲風のアレンジで歌うかのどちらかのパターン。例えば、Tom Jonesは"things go better with coca cola"を「Up Up And Away」風のアレンジで歌っているし、Fontella Bassは「Rescue Me」の替え歌で始まって、最後の方でメロディが"things go better with coca cola"に変わるという複合ヴァージョン。個人的にはどうしてもソウルの人に注目しちゃうわけなんですが、Marvin Gaye & Tammi TerrellのとかCarla Thomas & Jerry Butlerのなんて思わず聴き入っちゃうくらいイイ! 映像も見たくなってきちゃうよねぇ。
それにしてもこの時代だからいいけど、いまコークなんていったら違う意味で・・・っとヤバイ。アメリカ版のナレーションなんて「Aretha Franklin drunks Coke after Coke!」とか言っちゃってて。アレサだからいいけど、人によってはありゃりゃってなもんだよね(笑)
ついでに、CMソングの単体系CDを何枚か。
『レナウン〜ワンサカ娘』
2000年 日本クラウン
これも長い歴史を持ったCMソング。"レーナウーンレナウン娘が/オシャレでシックなレナウン娘が/ワンサカワンサワンサカワンサ/イェーイイェーイイェイイェー!"ってやつです。作曲は小林亜星。初出は1961年にかまやつひろし歌ったヴァージョンなので、コカ・コーラのCMよりも古い歴史を持つことになる。
ここに収録されているのは1964年の弘田三枝子から1987年のサンディー&ザ・サンセッツまでの10ヴァージョンとよくわからんリミックスが1曲。ゼルダ(1985年)のヴァージョンなんてのもあったのね。1987年のイエイエ・ガールズって田中美奈子がいたアレでしょうか? やはり権利関係の問題か、収録できなかったものも多いようだ。シルヴィ・バルタンのヴァージョンとか聴きたかったな〜。
『マツモトキヨシ ソングブック』
1999年 東芝EMI
マツキヨのCMもいろんなのがありますが、ここに収録されているのは、これは誰でも知ってるであろう"今日もマツモトキヨシでお買い物〜"ってやつと"何でも欲しがるマミちゃんは"ってやつ。この2曲のフルコーラスとCMで使われたオリジナル音源が11本。これは曲っていうよりジングルだね。収録時間は短いけど、かなり楽しいです。
『ニャンマゲにとびつこう』
1999年 東芝EMI
これもお馴染みでしょう。日光江戸村のCMソング。コレは普通のCD屋さんでは売ってなくて、日光江戸村に行かないと買えないって聞いたんだけど、そうなんですか? オレはもらったのでよく分かりませんが、たしかにCD屋では見たことないかも。
『コーヒーをいれたから』IKUKO
2002年 Webkoo
キーコーヒードリップオンのCMソング。歌は野口郁子さん。自分のグループLiraのほか、CMソングやVita Novaなど他のアーティストへのゲストVoなども多い人ですね。CMに出演してたのは三浦りさ子さん。カズの奥さんです。結婚前の設楽りさ子の時は歌も歌ってたんだから、自分で歌ってみてもよかったんじゃないの? CD化の希望が多かったため製品化したとのことです。
『も〜ど〜にでもして〜』ぴちょんくん
2002年 Universal Music
これはダイキン(ダイアナ・キングではない)のCMソングだっけ。ボサノヴァの心地いいリズムにのって、ヴォコーダーで声を変えたヴォーカルが歌う、ちょ〜脱力の1曲。これもCD化の希望が多かったため製品化したとのこと。ちゃっかり続編まで出しちゃって、最初からCDにするつもりだったんじゃないの?
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